多くの親は、
子どもが問題を抱え、
進むべき道がわからなくなった時、
高みから「右だ!左だ!」と
指示を出したくなります。
かつて自分が成功した方法や、
効率の良い方法で子どもを導こうとするのでしょう。

しかし、当事者である子どもは、
不安、猜疑心、無力感、自己否定などで、
動くことができません。

そのうち親は、思うように動かない子どもを見て
「こんなに親の私が、
あなたの為に頑張っているのに、
どうしてわからないの!」
と苛立ちを覚え、
「もう知らないからね!」
と突き放す…。

残された子どもは、
途方に暮れるかもしれませんね。

 

先日放送されたNHK「おんな城主 直虎」34話に
こんなシーンがありました。

主人公井伊直虎(柴咲コウ)は、
幼なじみの小野政次(高橋一生)を
自ら手にかけたショックで
記憶が混濁して現実逃避状態です。

周囲は政次が死んだことを
ハッキリ言い聞かせようとするのですが、
南渓和尚(小林薫)はそれをさえぎり、
直虎の妄想に付き合います。

無理に現実を突きつける代わりに、
道に迷った者と共に迷い、
手を引くことで救おうとするんですね。

 

子どもが人生で道に迷ったなら、
出口の分からない暗闇でもがいていたなら、
一緒に迷いながら寄り添う。

正論も、効率も、世間体も、
今まで大人が信じてきたものが
もろく崩れ去る瞬間です。

 

ただ、そばに居てほしい。
危ない方向へ行きかけたら、
そっと手を引いて知らせてほしい。
これでいいのかと不安になって振り返ったら、
「それでいい」と認めてほしい。
子どもたちは、
たったそれだけのことしか求めていません。

出しゃばりすぎず、諦めず、淡々と
自分を支えてくれる人がいれば
人は自分の力で道を見つけ出し、
自分の足で立ち上がる力を持っています。