断れないお母さんⅠ

「ママ友との付き合いがつらい…」
こんな言葉をよく耳にします。

Sさんも、疲れ切った表情で
相談に来られました。

住まいが近所のママ友とは
子ども達が同じ幼稚園。
今後、子ども達が卒園しても、
小学校、中学校と同じ学校に通う事になりそうです。

何事にも控え目なのSさんとは対照的に、
ママ友は華やかで積極的な方。
ファッション関係のお仕事をされていたからか、流行には敏感で
とても子持ちには見えないオシャレさんなんですって。

Sさんにも、いろいろとアドバイスをくれるそうです。
「今年は、この色が流行だよ」
「Sさんのタイプだと、コレよりアレの方が絶対似合うよ!」

最初はありがたいなと思っていた助言も、
度重なると「ちょっと重い…」
と思うようになってきました。

それでも断ることができないSさんは、
「これ、あんまり好きじゃないな…」
と思いながらも勧められた品物を買ってしまいます。

家に帰って、きちんと断れない自分に自己嫌悪!
何度かこんなことがあって、
そのママ友と顔を合わせるのが辛くなってきました。

いろいろと話を伺っていると、
Sさんには今までにも似たような経験が
何度もあったそうです。

最初は、「あれ?」と思う事があっても、
「まぁ、私が我慢すれば、丸く収まるし…」
と相手の言うままに。

ところが、それが度重なると辛くなってきて、
でも、今さら相手に事実を告げるわけにもいかず
黙って、相手の前から姿を消す…

そんなことが繰り返されていたんですね。

「辛かったですね!」
と私が言うと
「そうなんです!!
本当はいっぱい言いたい事があるのに、
自分の気持ちが上手く伝えられくて、
言えない自分が嫌で、情けなくって…」
Sさんの目にはうっすら涙が…。

「以前、私もそうだったのよ。」
「自分で自分が歯痒いよね」
と伝えると、
「えっ?先生も?」と驚いたご様子。

私自身、そんな堂々巡りを何回も繰り返し
大切な人との関係を傷つけ、傷ついてきた張本人ですから!

私の隠された本音などわかるはずもない相手に向かって、
『なんで私の辛さを気付いてくれないのよ!本当に鈍い人ね!』
と心の中で怒りをぶつけてましたね。

人って、知らず知らずのうちに、
想い込みに囚われていたりするんですね。

この場合の想い込みは
「NOと言ってはいけない」

あなたに、心当たりはありませんか?
結構、多いんですよ、
この思い込みに縛られている方!

 
Sさんの場合、ママ友のお勧めを断れないと仰います。
「どうして断れないんでしょうね?」と質問してみると
「相手のプライドを傷つけるから…」とのお返事。

それは、ママ友がそう言ったの?
それとも、Sさんがそう思っているの?

そうなんですよね!
ここがすでに想い込みです。

ママ友は、たとえSさんがNOと言っても、
気にしないかもしれないですよね。
確かめる前から、ダメだと決めつけてしまってます。
だから、話してみると言う選択肢が選べません。

これが、今回の事に限らず、
事あるごとに繰り返されます。

出来事→嫌だ→NOと言えない→我慢→辛い→逃げ出す…

 
しかし、今回Sさんは、
ご自身の想い込みに気付かれました。

「そうですよね。私が断ったからと言って、
相手が必ず傷つくとは限りませんよね」

自分を客観的に見られる様になってきました。

 
さぁ、あなたなら、どうやって
この負のスパイラルから抜け出しますか?
続きは次回に!