置き去りは「しつけ」?

「しつけ」なのか「虐待」なのか?
いろいろな意見がでた北海道の事件。

小2の男の子が無事に見つかって、本当に良かったですね。

 
私は、かつての自分のしつけを思い出しました。

娘が小学校の低学年だった頃。
原因は覚えていないのですが、
娘の行動に、かなり怒って
「出ていきなさい!」
と娘を裸足のままマンションの玄関から外へ出して
カギをかけたことがありました。

私の想像では、
娘が、ドアを叩き、泣きながら
「ごめんなさい。もうしません。」
と許しを請うと思っていたのです。

ところが、数分経っても物音ひとつ聞こえない…。

不安になった私が、のぞき穴から外を見ると

娘がいない!!

えっ???どこかへ行ったの?えっ?
焦りましたよ!

泣いて謝る以外の選択肢など無いと思い込んでいましたから…。

 
慌てて、自宅のカギを取りに部屋へ戻って
娘を探しにドアを開けたら…
そこには管理人さんが。

その後ろに娘がいるではありませんか!!

ええっ!管理人さんとこへ助けを求めに行ったの?
正直、恥ずかしかったです。

大事(おおごと)になってるやん!!
たった、数分間、反省のために外に出しただけやん!
私の頭の中では、いろんな思いがグルグル…。

管理人さんの
「本人も反省してるみたいやから、許してあげて!」
という言葉に

「ハイ、ご迷惑お掛けして、申し訳ありません。」
と謝って、一件落着。

 
落ち着いてから
「どうして、謝ろうと思わなかったの?」
ときいたら、

「謝って許してもらえるとは、思いもしなかった」
「自力で何とか家に入る方法を考えないと!と必死で考えた」と。

そこで思いついたのが管理人さんの存在。
「あそこへ行けば、合鍵があるかも」と思ったんですって。

すぐにエレベーターで1階へ降り、管理人さんに
「カギを貸してください」と言ったそうな。

「どうしたの?」ときかれて
「おうちに入れなくなったの」と。

見れば裸足の小学生です。
管理人さんも驚かれたことでしょう。

聞いてみれば、お母さんが怒って締め出された模様。
「おばちゃんも一緒に行ってあげるから、謝ろう」
と言われてと、戻ってきたら玄関に私が居たそうです。

娘としては、大人を味方につけて…
なんて考えは全くなく
とにかく自分で家に戻る方法を探す!
それだけを考えて行動したようです。

彼女にしてみれば、
「管理人さんが一緒に謝ったところで
母親は許すはずがないのに…」
とあきらめていたと言うんです。

 
私って、そんなに怖い母だったんでしょうか?
確かに、一旦決めたことは、しっかり守らせていましたが…。

まぁ、大事に至らず、胸をなでおろした私でした。

 
こんな過去がある娘は今度の事件を見て

「大人って、子どもが自分で考えて行動するなんて思いもしないんだ…」

とボソッとこぼしたんです。

子どもの行動が、親の考えを超えるとは思いもしない
それは、まさに私がかつて失敗した経験でした。

 
事件のお父さんも

「その場で泣いているだろう」
「お灸をすえたら、反省するだろう」

『自分だったらそうする』
を基準に行動したのだと思います。

ところが、子どもはそれを見事に超えてしまった。

「子どもにはそれぞれの個性がある」

皆、頭で理解はしていますが
自分に余裕がなくなると
その当たり前を忘れがち。

感覚が人一倍敏感
思考が深く複雑
反応がゆっくり

などなど、
生まれ持ってや、環境の影響で
その人らしさは、いろいろです。

目の前の子どもの性質をしっかり見極める
大変なことだけれど
とっても大切な気がします。