オリンピックの『やばいっスね』

「ス体」ってご存知ですか?
「そうっすね」「マジすか」など
ガテン系、体育会系の若者言葉を
社会言語学者中村桃子さんが命名しました。


普段はテレビドラマでたまに聞く程度の言葉だったのですが、
このオリンピックのスケートボード中継で
耳に飛び込んできて驚きました。

公式の場での「ス体」が気になって、
調べてみてビックリ!!

「ス体」は丁寧語だったんですね。

「堅苦しさを取り除いて、軽く敬意も表している」
便利な言葉なのだそうです。

若い方は「です・ます」のような敬語だと、
堅苦しく感じて距離感が遠く、
他人行儀な感じがするのかもしれませんね。


男子大学生が実際に会話している状況を録音し
「談話分析」したところ、
ちゃんと「ス体」「敬語」使い分けているそうです。


オリンピック中継でのスケートボードの第一人者の解説は、
的確でわかりやすく、肩ひじ張らないその語り口が
新しく自由な競技を後押しできたようです。


スケートボードは、
指導者や上下関係のない
伝統競技とは違う
お互いにリスペクトし高め合う

そんな「個人を尊重して自由に楽しむ雰囲気」
に魅力を感じる若者が多いと聞きます。


実況アナウンサーの折り目正しい話し方の安心感と、
解説者の感情豊かな表現がミックスされて、
会場のあたたかな雰囲気が、
色々な年代のスケートボードファンにも届いたことでしょう。


いつの時代も、新しい若者言葉に批判はつきものですが、
オリンピック中継を経て、
「ス体」が多くの方々の耳に届き、
受け入れられたのではないでしょうか?

私自身が使うことはないと思いますが、
「今の時代のニーズに応じて生まれた丁寧語」
だとわかれば笑顔で受け入れられそうです。