「子どものありのままを受け入れてあげたいけど、親が疲弊しがち」
「家族に子どもの気質を理解してもらえない」
「本人にHSCであることを伝えるべき?」
などなど、HSCとの付き合い方に悩むご相談は後を絶ちません。
今日はそのあたりを母娘で考えてみたいと思います。
横山:私はHSCやHSPと非HSPは、
完全にはお互いが理解できないかもしれない
と考えているの。
ただ、歩み寄りはできると信じてる。
「自分以外の人が、どのよう感じているか」
を知ることは、きわめて難しいよね。
自分と他者の感覚を比較するのは大人でも至難の業だもの。
幼いHSCの中には、
「周りの人も自分と同じくらい不快なのに、我慢しているんだ。」
と考えて、
「辛い」とか、「嫌だ」とかを
口に出すことすら考えつかない子もいることを
知る必要があるよね。
あなたはどう思ってた?
娘:私も小さい頃は、周囲も自分と同じ
苦しくて不安な中にいるのだと思っていたよ。
それでも他の人達は自分には到底頑張れないようなことを
頑張ったり我慢していたりするのを見て、
私は自分のことを
「なんて我慢のできないわがままな出来損ないなんだろう」
と思って疑いもしなかったな。
だからこそ、
「自分と周囲の間で感じ方が違う」
と知った時は、本当に驚いたし、
もっと早くに知ることができたらよかったのにと思った。
横山:その意味では、早くに
「自分はどうも人より敏感らしい」と知って、
対処法を知っておくことが大事だね。
HSCであることを本人に知らせるかどうかで
悩んでる親御さんも多いようだけど、
本人が困っていて、その対応策が伝えられるなら、
ポジティブな面を含めて伝えてもいいと私は思うな。
あなたはどう思う?
娘:私は、知ることで楽になれたから、
当人がわからず困っているなら
「こういう感じの人もいるらしいよ」
みたいな感じで、
自分に似た感覚の人が他にもいるかもしれない
ことを気づけるのは
楽になれるきっかけになりうると思うよ。
横山:気質自身は変えられなくても、
敏感力と上手く付き合っていけるように
工夫することはできるよね。
うまくいけば自分の強みにもなることだし!
そのためにも、
「お互いに感じ方は違うけれど、それもありだね」
とお互いが受けとめ合えたらいいね。
力のある大人が、
「一般論で決めつけない」
と意識する必要はあるね。
親の頑張りどころかな?
親の思い通りにいかないモヤモヤは、
子どもに向けずに、
それ以外の場所で発散するのがいいよね。
私の場合は、
「学校に行かない子と親の会」に顔を出していたので、
一緒にランチして愚痴を聞いてもらってたわ。
そうやって親自身も発散ができると、
笑顔で娘と向き合う余裕が生まれてくるの。
あるママは毎日ツイートすることで発散しているわ。
自分に合った発散方法を見つけるのは大事だと思う。
横山:あと、家族が気質を理解してくれないことに関してはどう?
娘: 理解してくれない人がいるのは
残念ながらどうしようもないけれど、
「これは傷ついたんじゃないかな?」と思ったら、
「その理解してくれない相手と今後どう付き合っていきたいか?」
について考え、お子さんと話し合ってみてほしいな。
傷ついても接していきたい相手もいれば、
そこまでして近寄る必要のない距離の相手もいるはず。
Eテレの番組では、
孫を理解できないおばあちゃんが出ていたけれど、
彼女は孫を理解したいと思ったから歩み寄ることができて、
お互い努力することで理解が深まっていたよね。
でも、我が家の場合は
孫である私を理解できない祖母が早々に
「難しい!あの子はわからない!」と
積極的に関わるということを諦めたよね。
私の方も頑張って言葉を尽くしたつもりだけど、
その都度祖母の何気ない言葉に深く傷つき塞ぎ込んで…
を繰り返しているうちに、
緩和剤となってくれる母がいる時以外は祖母と接触しない。
その代わり、母がいる時は
「祖母は悪意なく私を傷付ける達人だ」
と念じて身構えながら、
祖母ともそこそこ楽しく話ができるようになってきた感じかな。
まずは当人が
「相手と今後どのような関係を築いていきたいと思っているか?」
そしてその次に、
「相手側の望む関係はどの程度のものか?」
を考えてみるところから
関係性を探ってみてはどうかな。