緊急事態宣言は解除されましたが、
ウィズ(with)コロナという言葉が生まれ
コロナと共存していくという覚悟が求められています。
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そんな中で始まった、新しい形の学校生活。
辛いと感じているお子さんも多いようで、
学校関係のご相談が急に増えました。
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「辛いだけの学校へは、無理に行かせたくない。」
「でも、その後の勉強はどうなるの?」
「一旦不登校になったら、もう学校へは行けないんじゃないの?」
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子どものことが大事だからこそ、先々まで心配になり、
余計に不安になりますね。
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お子さんのタイプも、
ママのタイプも、
家族の考え方も
学校の対応も、
将来の夢も、
みんな一人一人違いますから、
全員に当てはまる「正解」なんてありませんよね!
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それこそ、
「ここは頑張れ!」
と背中を押して
良い結果につながるお子さんもいれば、
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「気が済むまでゆっくりしていいよ!」
と受け入れられて自分のペースをつかみ
成長するお子さんもいます。
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なので、私がお伝えできるのは、
一つの例としての我が家の場合です。
「そんな親子もいるんだ…」
くらいの気持ちで読んでいただけると嬉しいです。
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そして、今回は娘との対談形式でお伝えしますね。
実は今年の2月、大阪NHK放送局での講演の中で、
娘も参加した「質問にお答えするコーナー」が大好評だったんです。
当事者の生の声が聴ける機会って、少ないですからね。
私たち母娘の個人的な体験ではありますが、
こんなパターンもあるのだと知っていただけたらと思います。
では、どうぞ!
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横山:学校にいけない子に対して、
「親は、どう接したらいいのかわからない」
「勉強の遅れが気になる」
といったご相談がたくさん来てるの。
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我が家の場合はどうだったかをざっとお話しするわね。
まず、 小6から不登校になって、
中学は1週間だけ登校して卒業。
高校は通信制に入学して
臨床心理士に興味を持ったのをきっかけに、
大学進学を目指しだしたよね。
高校認定試験を併用して、
通信制大学に入学し4年で卒業。
小6から大学卒業まで、ほとんど独学で塾経は験なし。
こんな感じかな?
娘:そうね。ざっくり言うと、そんな感じ。
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横山:小学校で不登校になった原因は思い当たる?
娘:特別な事件などはなくて、
家から離れる不安感がどんどん大きくなった結果かな?
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横山:小学校5年生以降、
教室でみんなと一緒に授業を
受けることなく過ごしたわけだけれど、
後悔はある?
娘:今から考えると残念だと思うことは、
学生時代の友達がいないことと、
青春っぽい思い出がないことくらいかな。
文化祭とかクラブ活動の話をきくとうらやましいね。
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横山:この生き方を選んで良かった点は?
娘:安心して穏やかに毎日を過ごせたね。
あのまま無理を続けていたら、
今頃私はいないと思うから…。
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それと、自主性が身についたと思うわ。
大学進学に関しても、自分で決めて実行できたからね。
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その頃、小さいころから見てもらっているお医者さんに、
「これまでは、
自分を学校や社会に
合わせて矯正しようとして
辛い思いをしてきたけれど、
これからは
自分がありのままでいられる場所を
探せるといいね」
って言われたことが、すごい印象に残ってる。
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横山:親としては、
小学校で行しぶりを始めた中学年ころから、
ちょっと将来が不安だったね。
自分の周囲で経験したことがないことだったから、
「これからこの子はどうなるの?」
と必要以上に心配して
なんとか学校へ行かそうと必死だったよね。
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でも私がいくら背中を押しても
あなたは頑として動かないのよ。
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そのうち、
学校へ行かなくても
素敵に成長している先輩たちを見ることで、
私の不安は少し和らいで、
学校へ無理に行かせることのデメリットの方が
大きいと思えるようになって、
徐々に不登校を受け入れていったね。
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その時に、
「一旦学校へ行かないことを受け入れるなら
途中で翻すようなこと(例えば高校だけは卒業して!)だけはすまい」
と腹をくくったんだよ。
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娘:当時は自分の事で精一杯だったから、
お母さんがそんな覚悟をしていたなんて、
全然気付かなかったよ。
でも、徐々に楽になっていったことは確かだね!
家で冗談を言って笑えるようにもなったもの。
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横山:友達関係はどう?
娘: 友達は、大人になると趣味の世界ででき始めたね。
子ども時代は周囲の子がストレートすぎて
常に傷ついていたんだけど、
周囲も大人になったことで
少し楽になった気がする。
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気の合う友達は、ネット上で知り合った人たちだから、
今でも全国に散らばってるよ!
ネットが普及していた時代で本当に良かったと思う。
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横山:小6から中3まで
ほとんど勉強しなかったけれど、
困らなかった?
娘: 学校の勉強をすべて学ばなくても、
日常生活ではそれほど困らないんじゃないかな。
必要になってから学ぶと吸収も速いしね。
もちろん苦手な科目もできると思うけど、
それよりも、自分の「好き」を伸ばす方が大事だと思う!
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計算と漢字が苦手な私は、
日々の生活でよくスマホにお世話になってるよね。
でも、文章を考えたり、
ホームページを作ったりすることは好きだから
お母さんの仕事も手伝えてるでしょ!
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横山:学校へ行かない分の時間があったから
それを好きなことに充てられたの?
娘:毎日パソコンと向き合ってたし、
何より自分と対話していた気がする。
お母さんから見ると、ボーっとして見えたらしいけど、
いろんなことを考えてたんだよ!
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横山:そういえば大学受験という目標が決まると、
急に勉強しだしたよね!
娘:それも、自分に合った勉強方法は何か?
を常に探してたから。
大学も自分のペースで学びたかったから、
通信制がちょうどよかったんだ!
そういう意味では、当時にもオンライン授業があったなら、
不登校はしてなかったかもしれないね。
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小学生の時には学校が大嫌いだったから、
自分が大学に進学するなんて考えられなかったけれど、
今では本当にいい経験だ思ってる!
卒業できたことで自信もついたしね。
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横山:たとえ学校へ行けなくなっても、
可能性はいっぱいあるね!
娘:真摯に自分と向き合えた人は、
それを強みにできると思うよ。
学びの選択肢がたくさんあって、
自分に合うものと出会えるといいね!