子どもの頃の嬉しさを覚えている

私には楽しみにしている新聞記事があります。
「オトナになった女子たちへ」
イラストレーラー、漫画家でエッセイストの
益田ミリさんのエッセイです。

彼女は子どもの頃の何気ない出来事や感情を
しっかり覚えていらして、
まるで読者まで一緒に体験したかのように感じさせる
素敵な文章を書かれるのです。


大好きだった小学校の担任の先生のお話がありました。
図工に時間に、水彩絵の具を混ぜて、
マル・バツ・三角を描く課題が出されました。

ミリさんは、2色が混ざって新しい色ができる楽しさに夢中になり、「三色」と先生が言ったのをすっかり忘れ、
何色ものマル・バツ・三角を画用紙いっぱいに
描いてしまったのです。

周りの子たちに「まちがってる!」と指摘され、
「失敗した!どうしよう」と涙を浮かべていたら
先生が「きれいだなぁ」と言ったそうです。

「間違っているなんて言わずにいてくれた」
「先生もきれいと思ってくれたことが嬉しかった」

あの時の小さミリさんが、どれだけ勇気づけられたか、
大人になってもじんわりあたたかな気持ちになると書かれていました。

大人にとっては何気ない出来事も、
今を生きる子どもたちにとっては、
重大イベントだったりします。


HSCなら自分のミスに気付いた時点で、
『もうこの世の終わり』
くらいの後悔にさいなまれているかもしれません。

そんな時に、やさしく受け止めてもらった経験は、
何よりの『心の糧』になります。

大人になっても忘れることのない、大事な経験です。

自分を取り巻く社会を『信じられるもの』
と思えるきっかけにもなりますよね。

HSCを叱る必要はないと言われるのは、
この点だと思います。

自分で失敗に気付いているのに、
追い打ちをかける必要はありませんね。

それよりも、慎重なHSCが
注意を忘れるくらい夢中になれたことに視点を置くと、
対応が変わってきます。

「ワクワク感」「夢中体験」を重ねることで、自尊感情も育まれていきます。
大人の対応、大事ですね!

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