HSCに向けられる『ずるい言葉』1

一旦は受け入れてみたものの、なんだかモヤモヤする…
どうも違う気がするのだけれど、上手く言い返せない…

相手の言葉にこんな思いを抱いたことはありませんか?

「あなたを閉じ込める『ずるい言葉』」森山至貴 という本に出合いました。
本来は、中、高生がつらい立場に立たなくてよいようにと書かれた本なのですが、
私達大人には、『ずるい言葉』を無意識に発しないためにも必要だと思いました。

今日はその中でも特に気になったフレーズをご紹介します。

「もっと早く言ってくれればよかったのに」

HSCを育てていると、ほとんどの親がこの言葉を掛けてきたのではないでしょうか?
私など、数えきれないほどです。

「もっと早くわかっていれば、何か対応してあげられたかもしれないのに…」
などの善意から出た言葉かもしれません。

しかし、相手が「困っていると言えないから困っている」としたらどうでしょう。
自分の感覚が周囲の理解を得られない体験を何度もして、
それでもつらい時「言ってもわかってもらえない」ことに困りますね。

そんな時に掛けられる、「もっと早く言ってくれればよかったのに」は、
「もっと早くに言えない苦労」を見過ごしてしまう意味で、
配慮が足りなかったかもしれない
…と気づかせてくれました。

本には
「もっと早く言ってくれればよかったのに」と思うことは悪くない。
でもその言葉をダイレクトに、今困っている人にぶつけてしまうとなると話は別。
「困っているなら、困っていると言えるはずだ」という前提を相手に押し付けることで、
結果として「早く言わななかったあなたが悪い」というメッセージを伝えてしまう。
と書いてあります。

善意からかけた言葉のつもりだったのに、
相手を傷つけてしまうのはなぜなのでしょう?
それは、自分の側に少しの後ろめたさがあったからかもしれません。

相手を思いやる気持ちが少し足りていなかったようだと自分で気付き、
その後ろめたさが相手を責めてしまうような言葉となって出てしまうことがあります。

では、そんな時私たちはどうしたらよいのでしょうか?

困っている人を非難しそうになったり
うっかり責めてしまったら

「気づかなくてごめんね。
なにか手助けできることはある?」

と言ってみましょう。

言ってくれなかったことを責めるのではなく
言えなかったことに理解を示し、手助けを申しでる

人は皆、自分と同じではないからこそ、
お互いを理解しようと努力を重ねることで
関係性が磨かれていくように思います。

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