生きるために逃げてもいい

絵本作家のヨシタケシンスケさんをご存知でしょうか?
「リンゴかもしれない」などの有名作品を描いた
ベストセラー作家さんです。
そんな彼の言葉が、

「生きるために『逃げる』ことをえらんでもいい」

実は彼、2013年に絵本デビューしますが、
色付けが自分で上手くできずに、
別のデザイナーさんにお願いしているそうなんです。

絵本において色は大きな影響があるものなので、
こんな作家さんは珍しいそうですよ。
でも彼は、

「どんな人だって苦手なものはあり、
自分でできるところを頑張れば、
誰かと補い合って生きていける」

と気にしません。
不登校の子どもたちに向かっても、
ずっとご自身が全速力で逃げつづけてきた経験から

「逃げる」ことを、
「居心地の良い場所を探しに行くために、
この場からはなれる」
と言い換えてあげればいい

と言っています。

ご自身も、団体行動が嫌いで、
チームで作業をするのも苦手。

嫌いなものを全部あげて
「これだったら我慢できるかな」
を選ぶ生き方をしてきたそうです。
その結果、今自分にとって
心地よい場所を見つけられたのだとか。


私は娘が学校に行くのが辛いと言った時に、
娘を矯正して学校へ通えるようにしなければと
焦っていました。

自分に向かない状況から上手に逃げて、
折り合いをつけながら生きてゆくなんて、
想像すらできませんでした。

しかし今振り替えってみれば、
その後の娘の人生は、
まさにどうにもならない自分の苦手を避けて、
自分らしくいられる場所を探しながら進む
生き方だったのです。

そう気持ちを切り替えられたから、
今の自分がいるのだと言います。



親は先々を考えすぎて、
お子さんの今の辛さを、
無理にでも我慢して乗り越えさせようとしがちです。

目先のトラブルがなくなれば
親は安心できますから…。
でも、本当に大事なのは
お子さんが幸せでいることですよね。

「うちの子はもう大丈夫!」
と親が安心するために、
お子さんが辛い思いを我慢し続けるのは
おかしくないですか?



「嫌な事」から全力で逃げ続けたヨシタケシンスケさんは、
今素敵な大人です。
その体験が多くの人の心に響き、
ベストセラー作家さんです。


たとえ人と違っても、
苦手なことがあっても、
それらと上手に折り合いをつけながら
自分らしくいられる場所が必ずある
と信じられたら、
お子さんの心はどれだけ楽になるでしょう。

そのための第一歩は、
親がお子さんの「嫌」を否定せずに受けとめる事

「後で困るのに…」とか
「世間体が…」とか
大人の都合は置いておいて、
「今目の前にいるこの子は嫌なんだな」
ありのままで受けとめるところからスタートです。


アレも、コレもとたくさん「嫌」が出てきたら大成功です。
決して我がままだなんて怒らないでくださいね!
自分とは考え方が違っても、
お子さんの気持ちを尊重してください。

安心して「気持ち」が表現できるだけでも、
心って満たされるんですよ!

たまった「嫌」を表に出せたことで
お子さんの心に余裕ができたら、
その先の行動を自ら考えることもできるようになります。

「何があっても私はあなたの味方だよ!」
と言葉と態度で示し続けたいですね。

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