聴き上手になる
2023年に兵庫県川西市の広報誌「生きる」で連載された文章をお届けしています。
毎年伺う講演先では、主催者さんともお顔なじみになります。
そんな方から聞いた嬉しいお話をひとつ。
私の講演を聴いて帰ったまさにその日、
中学生の息子さんが友達と大喧嘩して帰宅し、
「もうクラブ活動もやめる!」
と荒れていたそうです。
いつもなら、
「そんなこと言わずに…。
きっと〇〇君だって悪気があったわけじゃないよ。」
とすぐに仲直りを促すアドバイスを始めてるお母さん。
それに対して息子さんも
「お母さんは何にもわかってないのに、偉そうなこと言わんといて!」
と応酬し、火に油を注いでいたかもしれませんね。
しかしその日は違っていました。
講演で聞いた
「そのまま受けとめて聴く」
を実践してみようと思ったそうです。
自分の言いたいことをぐっと我慢して
「そう、腹立ててるんやね」
と返すと、
まぁ、出てくる出てくる相手の悪口!
それでも「聴く」を続けて、
やっぱりこの方法ではダメかな…
と思い始めたその時、
急に風向きが変わったそうです。
言いたいことを全部吐き出したら、
すっきりしたのでしょうね。
息子さんは
「とは言ってもな、俺も悪いところがあるねん」
と自分の落ち度も話し始めるではありませんか。
そして最後に、
「やっぱり明日、俺から先に謝ることに決めた!
あぁ、いっぱい話したらお腹空いたわ。
おやつある?」
とケロッとした顔で言ったそうです。
彼女は「聴く」ことの効果に
驚いたと話してくださいました。
ただ「聴く」だけで、
相手が自分で考え、判断し、行動を起こせるんですね。
来月はそんなその人らしさを引き出す
「きき方」についてお伝えしましょう。

