◆ワクチン接種で不調となるかもしれない親が事前にできる事
私:これから親の世代のワクチン接種が進んで、
不調が出る親も増えると思うのね。
その時に子どもが何も知らされていないと、
不安にならないかな?
HSCのために事前に用意できる事があれば
一緒に考えて欲しいなと思うの。
あなたが今の小学生だったとしたら、どうかな?
娘:ワクチン接種自体は、世間で言われているから
子どもでも、漠然とは知ってると思う。
ただ、親から事前に
「もし寝込んでしまったら、犬の餌やりと散歩はお願いね。」
みたいに「その時どうする?」という備えを聞いていたら、
安心できるかもしれないね。
「親がこうなった時には、自分はこう動く」を
事前に知っていたら安心できそう。
私:事前に自分がすべきことがわかると安心なんやね
娘:だって辛そうに寝込んでいる人に
「何してほしい?」なんて聞けないよ。
ゆっくり休ませてあげたいと思うもの。
聞くことで余計にしんどい思いをさせるんじゃないかと思ったら、聞けない。
私:え~っ!そうなんや。
今まであなたが不調な時に、
「何して欲しい?」ってよくきいてたけど、
あれ、あかんかったん?
娘:うん、うっとおしかった。
「しんどいねんからほっといて!」て思ってた。
私:ひぇ~。そうやったん。知らんかったわ。ごめんね。
私としては、何かしてあげたいと思っての言葉かけだったけど、
それはあくまで私サイドの考え方なわけやね。
あなたは、ただじっと身体を休めたかったんや。
考え方が違うね。
今回のように事前に不調が予測できるなら、
「ワクチンで腕が痛くて手が上がらへん時には、お風呂洗ってね!」とかって、
前もって手助けしてほしいことを明確に伝えてもらったったほうが、
動きやすいの?
娘:うん。あくまで私の場合はだけどね。
手助けしたい気持ちはあっても気を使いすぎて、
すっと行動に移せないと悩む子は多いと思うよ。
私:親を助けてあげる事さえも、相手に気を遣うんや…。
娘:実際に、お母さんがワクチン接種後2日間、
腕の痛みがひどかったでしょ。
フォローしないと!と気を張り詰めてたから、
3日目にお母さんが元気になったとわかったら、
どっと疲れが出て、一日寝込んだから…。
私:実際に行動してない時も、常に私の左腕を意識してくれてたんだね。
当の本人はすぐに忘れて腕を動かして「痛い~」なんて叫んでたけど、
3日目にはケロッとしてたよね。
私と入れ替わりに疲れが出ちゃったんだね。
それくらい、気を遣ってるんだ…。
娘:その意味では普段からお互いに
「困ったら言うから、その時は手助けしてね!」
と決まっていたら気が楽かも。
ずーっと待機状態って疲れる気がする。
HSCの場合は無意識にこんな状態になってることが多いと思う。
あと、「ワクチンの副反応は10人のうち〇人にでる」みたいに
情報を教えてもらっておくと、
親の状況が特別なわけではないとわかって安心できそう。
私:事前に親子でワクチンについて話し合っておくことが大事だね。
「もしも親が寝込んだら、食事はどうする?」とか
「習い事への送り迎えは?」とか
その家庭で起こりそうな問題を一緒にシュミレーションしてみるといいね。
お互いに安心できるもの。
◆1年半も続いてきた「我慢」を経て、この夏休みをどう過ごす?
私:7月に入って、子どもたちの
不安は減っていない状況で夏休みが始まるわけだけれど、
親にできる事を一緒に考えてくれる?
娘:昨年の夏休みには、「来年には…」って希望があったけど、
今では「いつまで続くんだろう?」ってうんざりしているかもしれないね。
私:親だっていっぱいいっぱいな状態なら、
それを理解できるHSCは辛さを誰にも言えず、
発散できないで、不安や不満が溜まっていないか心配なんだ。
親だって、何とかしてあげたいと思っているけど、
実際に何をすればいいのかわからないって場合も多いんじゃないかな?
娘:ストレスって子どもによって違うと思うんだよね。
アウトドアが好きな子は、
夏休みに家族と外へ出ることで発散できそうでしょう。
でも私なら、家から出られない状況は大歓迎だったと思う。
かえってストレスが無い状態だったかもしれない。
「学校へ行かないの?」っていう圧力が無いから最高だよね。
自宅でゲームできるなら、幸せだったと思う。
私:同じ制限を受けていても、
感じるストレスポイントは、違うんだね。
「外出を控える」は、
「外へ出たい人」にとってはすごいストレスでも、
「家に居たい人」にとってはそれほど気にならない。
制限は一律でも、受け取り方も、行動も色々なんだ。
親が勝手に子どものストレスを決めつけたら、大変なことになるね。
親がアウトドア派で、子どもがインドア派な場合、
「家族でキャンプ」は子どもにとって余計にストレスになるかもしれない。
怖いのは、親が楽しいから子どもが楽しまないなんて疑いもしないこと!
「子どもはキャンプが好きなもの」と疑いもしない…。
非HSCならキャンプの話が出た時点で
「嫌だ!」って意見がぶつかるね。
ケンカもするけど理解もできる。
でも、HSCの場合相手を推し量って自分を抑える事が多いよね。
反論してこないからOKなんだって、相手は理解する。
HSCに我慢がたまって不機嫌になると
「言わないとわからないじゃない」
と責めら立てられる。
相手がHSCなら「あなたはどう?」と聞く態度は大事だね。
娘:でも、相手を信じていなければ本音は言えないよ。
「何言ってるの!」と怒ったり、
「そんな事言うなんてがっかり」と
相手が機嫌を悪くすると思ったら、
絶対本音は言わないからね。
私:ええっ!それ盲点だわ!
聞いたら本音を言うと思い込んでいた。
いつ頃から?
娘:幼稚園の頃から求められる答えを用意してたよ。
いたたまれない空気が嫌だから避けるため、
本音と建前の2本立てで生活してた。
私:親が求める子ども像を演じなくても、
ありのままの自分を出しても大丈夫と
子どもに認識してもらえないと、
本音は出てこないんだね。
娘:HSCという概念が広まったことで、
「自分とは違う考え方や感じ方があるんだ」
と知る人が増えたよね。
私:そうね。
「感じ方が違って当りまえ」とわかれば、
「どうしてわからない!」とお互いを責め合う必要が無くなって、
「私とは違うけど、あなたはそうなんだ」と
認め合うこともできるようになるね。
大人だから、子どもだから、男性だから、女性だから…
そんな縛りを外して、
それぞれ違う考えをもった対等な個人として
「今、何がつらい?」
「終わったら、何がしたい?」
なんて気軽に話せる雰囲気からスタートできたらいいな。
娘:コロナ禍で「できなくなった事」だけではなく、
コロナ禍だからこそ「できるようになった事」も
話し合ってみたらどうかな?
見方を変えることで、新しい価値も見つけられるといいね。