「バリバラ」放送を見ての感想③

2019年8月29日NHKEテレ「バリバラ」で
「敏感くんのゆううつ~HSCの子どもたち~」
が放送されました。
その番組を見て気づいたことお伝えしています。

今回のテーマは「HSCの心配を減らすには…」です。

番組に出演した男の子は、
周囲の人の感情がいっぱいなだれ込んできて
かなりつらい状態でしたね。

それでも、周囲の人に対しては
最大限の気遣いをする彼。

給食の時間に、しっかり返事を返せなかった
クラスメートに対する心配から、
浮かない顔で帰宅して
母親に気持ちを吐き出していました。

彼は、話す人の眼を見て聴き、頷き、笑顔を絶やしません。
話すときも、はきはきとしっかり言葉を選び、
身振り手振りまで入れて表現します。

そんな彼のやさしさが
言葉や態度の端々に見てとれて、
余計に辛さを感じると娘は言うのです。

また、
「これくらい大変な思いをしている子をHSCと呼ぶんだ!」
「それなら、うちの子はそうじゃない!」
大人が決めつけてしまうのではないかと娘は心配していました。

そして今回のテレビ番組を、
いろんなことに対する敏感さを持つ
HSCの中の一例として
受けとめて欲しいなと言っていました。

言われてみれば、そうですよね!
HSCの皆が同じであるはずはありません。

彼は母親とお医者さんに
ありのままの自分を受け入れてもらえて
自尊感情がしっかり育っていると感じました。

娘の場合は、
母親である私を含め、身近な大人のだれ一人として
ありのままを受け入れてくれず
「もっと頑張れ!」とはっぱをかけられました。

また同年代とはそりが合わず
「おかしい」と非難されることが続いたそうです。

そんな毎日の中で、
無事に一日を乗り切るために
敏感力を使い切っていたといいます。

「誰かから攻撃されたらどうしよう?」
自分を害してくるかもしれないものすべてに
照準を合わせて気を張って毎日をすごす…。

事故、危険が伴うような行動はしない。
体育の授業さえ、
ケガをしないように上級技はチャレンジしない。
大人には逆らわない。
自分を害して来る人の近くには寄らない。

とにかくトラブルが起こらないよう、
細心の注意を払って生活していたそうです。

こう書くと、只々悲惨な毎日のようですが
良いこともありました。

たとえ人の辛さがわかっても、
テレビの男の子のように
自分の中に流れ込んで辛くなる経験は
少なかったそうなんです。

ただ『人の気持ちを思いやる余裕が無かった』
だけなのかも知れません。
それは娘が無意識にとっていた行動でしたが、
『自分の中に入ってくる情報をコントロールする』ことは
HSCの生活に役立ちそうです。

『人から危害を加えられず今日一日を無事に過ごす』
それだけに集中したことで、
他の情報は受け流すすべを身につけたのです。

そして今、大人になった娘からHSCへのアドバイスは
『意識の集中の仕方を少し変えてみる』ことだそうです。

テレビの男の子は、
見るもの、聞くもの、全てが
心配の種になっていました。

カフェでは、
赤ちゃんが泣きだすんじゃないか?
店員さんが忙しそうだ…

娘も同じように周囲の状況が
気にはなるそうです。

しかし、心配するのではなく
「どうしたら、その人が気持ちよく過ごせるだろうか?」
と考えるそうです。
『心配のドキドキ』『プラスの想像』に変えることで、
不安が消えると言います。

もし赤ちゃんが泣いても、
ベビーカーがあるから散歩に出て気分転換できそう。
ママが楽しそうだから、赤ちゃんもリラックスできるね

店員さんの仕事を軽減できるように、
空いたお皿は通りやすい通路側へまとめておこう
おつりが無いようにお会計すると時間が短縮できるな…

『心配の種』を探すのではなく、
こうすればもっと良くなるという
『喜びの種』を探してみてるとよいそうですよ。

親の立場として私なら、
「何か気になる事、あるの?」
と優しく声を掛けることをお勧めします。

まずは、心のモヤモヤを言葉にしてみて、
しっかり自分の気持ちを確認できます。
その話題を一緒に考えることで
自分とは違う見方も知ることができますね。

「赤ちゃんが泣いたらと思うと心配なの」
と言われたら
「そう、心配なのね!
でもね、大丈夫よ。
赤ちゃんは泣くことで、どうしてほしいかを伝えてるの。
ママとコミュニケーションをとってるんだよ。」

「店員さんが忙しいそうだで大変だなぁ」
と言われたら
「そうね、忙しそうね。
人気のお店だから、やりがいがあるでしょうね。
きびきびとした動きが見ていて気持ちいいわ。」

こんな風に、物事のいろいろな側面を知れば
不安で心がいっぱいになることも減りそうですね。

自分の心配な気持ちを
安心して出せる先があることは、
誰にとっても大切なことですね。

特にHSCにとって、
身近な大人が
ありのままの自分を
受け入れてくれこと
何ものにも代えがたい宝物となります。

どうぞ、不安の多いHSCに
『心の安全基地』
作ってあげてくださいね。

心の安心という基礎ができれば
HSCならではの良さを発揮できます。

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