「子育て3原則」①今を受けとめる(娘の一言付き)

2月23日NHKフォーラム
「HSP~ひといちばい繊細な人~自分のためのトリセツ」
が無事に終了しました。

私は後半のシンポジウム
「繊細な人が自分を大切に楽に生きるヒント」
でお話させていただきました。

大人のHSPがメインだったのですが、
事前のご質問からHSCに関するご相談も多くて、
「実際にHSCを育てた経験談を!」とのご依頼がありました。

そこでもお話した「子育て3原則」について、
くわしく知りたいとのお声が多かったので、
これから3回に分けてお伝えしたいと思います。

まず1つ目は、
「今を受けとめる」です。

私たちはみな自分の考えを持っていますから、
入ってきた情報もそこに当てはめて判断します。

全く同じ意見なら、何の抵抗もなくすんなり受け入れられますね。
ツーカーの仲(お互いに気心が知れていて、ちょっと言うだけで通じ合う間柄という意味)だと楽なのはこのせいです。

ところが、自分とは違う意見が入ってきたらどうでしょう?
「えぇ~、何で?」と異論を唱えたくなるものです。

この一言がくせもので、
相手の『話そうという気持ち』
奪い去ってしまいがちなんですね。

HSCのように相手の気持ちに敏感な場合は特に
「この人、私の気持ちを受け取りたくないと思っている。」
と感じ取り、
「もう、言っても無駄だ…」
と話すこと自体をあきらめてしまうことが多いからです。

「私と感じ方は違うけれど、あなたはそう思うのね」
と受けとめられたらどうでしょう。

その意見に共感できなくてもいいんです。
時には理解すら難しいこともあるかもしれません。

「親の私は違うと思うけれど、
今のこの子はそう考えているのだな」

と受けとめてみてください。
話すお子さんも、聴く親御さんも、楽になりませんか?

そのために必要になるのが、『聴く力』です。

お子さんに本音を話してもらうためには、
自分の意見をはさまず、
全てを一旦受け入れる覚悟が必要です。

それまでそんな聴き方をしたことがない人にとって
これは、結構大変なことです。

ついつい自分の意見を、
時には自分の正当性を主張したくなります。

いいんですよ!失敗したって。
ただ、簡単にはあきらめないでくださいね。

HSCは親の気持ちにも敏感ですから、
親が真剣に自分の話を聴こうとしていることに気づきます。

自分のために努力してくれているのだと、
ちゃんと気持ちを汲み取ってくれるのがHSCです。

多くのご相談者さんが驚かれるのが、
このお子さんの変化なんですね。

私のところへ相談に来たことなど伝えていないのに、
話を聴こうと気持ちを切り替えただけで、
お子さんの態度が和らいだとおっしゃる方が多いんです。

愛情をひといちばい感じとることのできるHSCですから、
親のそんな変化が嬉しいのでしょうね。


もしも今お子さんが苦しんでいるなら、
「この先どうしよう?」
と対策を練る前に
「辛いんだね」
とまずは気持ちを受けとめてあげて下さい。

例え「辛さ」であったとしても、
それは大事なその子の今の気持ちです。
まずは、ありのままの今を
受けとめるところからスタートです。

『HSPの娘から』

母も、
「今を受けとめる」
ということを理解してすぐに
私の話を「聴く」ことができるように
なったわけではありません。

何度も、途中で遮ってしまったり、
母自身の望む方向へ話を持っていこうとしたりと
失敗を重ねていました。

私はそんな母の変化を、
正直「また何か始めたんだな」と
冷めた気持ちで見ていたのを覚えています。

それでも、なんとなく母なりに
私を想っての変化なんだろう
というのは感じていました。

私のことを、
どんなにダメな人間になっても
諦めないでいてくれる人が一人でもいる。


それが苦しい渦中にいた私にとって
大きな支えになったのだと思います。

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